大企業特有の内向きな争いと外資に買収された企業の内部事情について詳しくかかれている
マツダのマーケティングとCIの立役者である筆者が、フォードからのアメリカ人出向社員とマツダプロパー社員の対決、メインバンクであった住友銀行とのやりとりなど、大企業にありがちな内向きの争いについて細かく記述されていた。
特にセブンイレブンと称される朝7時出社、夜11時退社という働き方をするフォードからの出向社員の熱心さに関心した。と、同時に、予算と人事権を握ったフォードがまさにマツダをコントロールしようとしている勢いを感じたという。
他には、東京モーターショーの準備であるとか、顧客から朝6時に新車の納車をたのまれため、前夜から徹夜でワックスを落として部下と二人で運んだなど現場のエピソードもちりばめられている。
「外資系」に働く人には参考になるのでは?
「愛社精神」ゆえの「外資」参入への戸惑い,葛藤,等々。非常に苦労された様子が伝わってくる。しかしその中でも著者は成功した部類だろう。読んでいて「なるほど,こうすれば・・・」と教えられる点が多々あった。タイトルを「さらば愛しき」とできたのは,著者には周囲にも認められ「誇れる会社生活」があったからこそ,と思う。幸せな人だと思う。
実直な日本的サラリーマン人生の最後の見本
本書では、愛社精神あふれる、いかにも実直な、不器用な日本のサラリーマンの典型的な半生が、マツダというレンズを通して淡々と描写されている。特に、90年代後半にマツダがフォード支配の影響を強く受けていくに伴う、戸惑いや新鮮な発見、葛藤、迷いが活写されており、外資系企業で働くサラリーマンにとっては、参考になる話や身につまされる話が多いと思う。車好きの人にとっては、ロータリーエンジン開発秘話やRX−8誕生の舞台裏などが興味を引くだろう。 著者の専門分野であるせいか、マツダにとってのブランド戦略の果たしてきた役割、あるいはこれから果たすべき役割についてかなりの薀蓄を傾けている。ただし、評者が一点不満なのはまさにこの点で、今日のマツダの経営不振を招来したのはなんといっても商品開発力の衰退ではなかろうか。日産同様、技術はあっても売れる車を作れない、という病弊の根本原因に関する考察がないのが気になるが、これを著者に要求するのは酷か。
感激
真面目で優秀な日本人会社員像が前面に出ていて感激致しました。 最初に机の上に退社挨拶をおいたという始まりが良いですね。去ってゆく机に張ったという行為が又良い。マツダにおける仕事の展開は、マツダのみならず会社で働く人たちへの参考になると思います。 多分、迫さんは原稿を書いている時、泣きながら書いていたのでは、と想像できます。それが文体に滲み出ていて泣かせます。 ”自分達の方が優れていると言って、なかなか取り入れようとしない”というくだりに、思わず笑ってしまいました。なぜなら、最近、元会社で成功したルートから乗用車の大口仕事が舞い込んだのです。マツダ殿に引き合いを繋いで欲しいと頼まれ、コンタクトしましたら、体よく断られてしました。商業車の大口購入の実績があるのだからと言ってもダメでした。そういう経験があったものですから、尚更感じたものです。 海外ビジネスを一緒にやれば補い合える人だなと思います。
文藝春秋
フォードVSマツダ 日米戦争に学ぶビジネスマン明日への12章 マツダはなぜ、よみがえったのか? マツダ党に捧げる本―ここが偉い!そこが凄い! (レッドバッジシリーズ (287)) マツダ・ロータリーエンジンの歴史 甦ったロータリー―マツダ・ロータリーエンジンとその搭載車、激動の変遷史
|